政(まつりごと)と道徳

国会が紛糾してますね。コロナで政治家の本質が出てきてしまったという事でしょう。困ったものです。昔にこんな言葉があります。

 

世が乱れる原因は、政において道徳が失われることである。臣下が君主を侮り、子が親を侮る。それは突然起こったことではなく、すべては小さな悪の積み重ねなのだ。小さな悪とは、日常にある小さな悪事だ。自分がよければ目をつぶって人任せにする。その結果は、時間が経つにつれ、世が乱れていく事になり、一つの国が丸ごと堕落してしまうのだ。

 

では、悪事とはどのようなものか

 

役人の悪行とは、是非の分別が妥当でなく、趣向は正しい道に背き、部下を虐げて功積をあげ、上司に諂って機嫌をとり、恩を受けても感謝することなく怨み言を言い続け、人々を軽蔑し、国政を乱す。功なき者に褒美を与え、罪なき者を懲罰に科し、人を殺して財を貪り、人を押しのけて地位を奪い、降伏した者を殺し、正しく聡明な者を追い払い、孤児を侮辱し、未亡人に無理強いし、法を犯して賄賂を受け取り、真っ直ぐなものを曲がっていることにし、曲がっているものを真っ直ぐだとし、軽い罪を重罪にしてしまい、死にそうな者に対して怒って罵る。

 

自分がよければ目をつぶって人任せにする。これは小さな悪とされます。コロナに罹患していない人が、自分の問題とせず、誰かに任せる。

 

善の心が起これば、善の行いをまだしていなくても、吉の神はその心に感応して随う。また心に悪の心が起これば、悪の行いをまだしていなくても、凶の神はその心に感応して随う。もしかつて悪事を働いたなら、後に自己を悔い改める。諸悪を行うことなく、多くの善を行い、久しく行えば必ず吉慶を得る。いわゆる “災いを引き換えて福となす” である。故に善人は言葉・見解・行為のすべてが善である。一日に三つの善行を積めば、三年で天は必ず福をもたらす。悪人は言葉・見解・行為のすべてが悪であり、一日に三つの悪行を犯す。三年すれば天は必ず禍をもたらす。悪行をやめることに努めて、善を意識して行いなさいと書かれています。

 

日本人の情(なさけ)は、どこに行ってしまったのでしょう。顔は笑っていても心の中で泣いていたり、「平気だから」と言われたら本当にその人は平気なのか。考えてみてください。日本人は辛いことを辛いと言わず、悲しくても大丈夫と答えます。それは周りの人に気を遣わせないように、自分が辛くても人に気をつかうのが日本人です。

 

日本だけでなく世界各国の人はコロナで生活が大変な状態になっています。このような時は人のことは気にしていられない気持ちにもなるかもしれません。しかし、日々の生活は自分ができる範囲の小さな善を積み重ねて生活していきたいものです。