2019-11-10から1日間の記事一覧

荘子【大宗師 六 道とは何か】

大宗師 六 道とは何かでは、 「道」とは何であろうか。変転する万象の根元に思考を遡らせてゆけば、どうしても「道」の存在を否定するわけにはゆかない。しかしそれは、無としか表現のしようのないもので、心に感得することはできても、感覚で確かめることは…

荘子【大宗師 五「道」そのままに生きる】

大宗師 五「道」そのままに生きる生死は、昼夜の循環と同じく、天の法則である。万物に貫徹する法則は、人為ではどうすることもできい。しかるにわれわれは、この冷厳な天をさえ、生みの親とみなして敬愛の念を抱く。ましてや、その天を生み出したものを、敬…

荘子【大宗師 四 天人合一】

大宗師 四 天人合一 真人は、変転する外界の事象に自在に応じてゆくが、けっして徒党を組もうとしない。ひとに先んじようとはせぬが、かといって意識的に下風(かふう)に立とうとするわけでもない。つねに独自性を失わぬが、かたくなではない。いっさいを受…

荘子【大宗師 三 理想的人格】

大宗師 三 理想的人格 この理想的な人格に照らしてみると、かりに武力を用いて他国を滅ぼしたとしても、その国の人民は国を滅ばされたとは思わず、人民に恩恵を施しながらも、人民は恩恵を施されたとは思わぬ者こそ、聖人の名に値するといえよう。作為的に秩…

荘子【大宗師 二 真人の真知】

大宗師 二 真人の真知 しかし、知を超えた「真知」は、この弱点を伴わない。この真知をおのれのものとしたのが、「真人」である。 太古の世には、真人がいた。かれは、逆境にも不満を抱かず、栄達を喜ぶでもなく、万事をあるがままにまかせて作為を施そうと…