人とは

ひとは すなわち あめがしたの  みたまものなり

即天下神物奈利

人というのは一つの義にして、類なき(たぐいなき)と言う意味がある。日本書紀に天地の中に一つのものが生まれるとあり、即ち国常立尊という神である。この神は開闢の神にして万物の霊であり、故に人は天の下の神物(みたまもの)という。神代を以って道のある国であれば、神にも上下の品位ありとする。人においては智光霊妙が宿る本心には上下の隔てはなく、天(神)より受け得た神慮を忘れず、我儘をしないように生きること。また人は「日止」(ひと)ともいい、日天の徳によって生まれる故に、心に日(太陽)を止める(とどめる)という教えがある。この心とは、正直でないと日を止めることは難しく「心に日を止めるものは神なり」といい、一心に日を止めることを神止まる(かみとどまる)という。正直は神なり、正直を心頭(心中)に止まるを神道という。正直の正の字は、一に止まるという事。丸の中に一を書くと日となる。日本とは正しいことを本とする心の事である。神に拝するときにも、心を清めて、自分の胸の正直と、神明に正面から向き合えば、神は我が心に移ってくる。心と神の2つを合わせることを「心神合一」という。人という義を味わうべし。

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昔の伊勢神宮図です。左下に橋は現在もあります「宇治橋」です。橋の先の鳥居を抜けて、右に折れ、五十鈴川で心身を清め(いまはお手水です)、人々が神宮へ参拝している図となっております。