荘子「養生主」

知に従えば安らぎはない
人間の生命には限りがあるが、知のはたらきには限りがない。生命の有限性を度外視して、知の赴くままに無限を追究すれば、安らぎが訪れるはずはなかろう。われわれは、 この道理を承知していながら、しかも知から離れることかできない。
われわれは知をはたらかせては善悪をあげつらう。だが、善や悪といっても、それは名声や刑罰を基準にした評価にすぎない。だからこのような善悪にとらわれす、自然にのっとり、自然のままに生きることだ。それでこそ天寿を全うし、安らかで充実した生涯を送ることができるのである。