六壬式:軍事占②

ウクライナ情勢に動きがありましたので、引き続き占断していきます。《ゼレンスキー大統領は、ビデオ声明を発表し「人的犠牲を止めるため、交渉の席に着こう」とプーチン露大統領に呼びかけた。ペスコフ露大統領報道官は「プーチン大統領ウクライナ側との交渉のために露代表団を(ベラルーシの首都)ミンスクに送る用意がある」と発表した》と報道がされました。この様な報道がありましたので、先日も少し書きましたが、これは通使占(和平の使者を占う方法)を使って、どの様な状況かみていきましょう。

庚戌日 子之刻 虚宿

月将亥 月建寅 天一寅(夜)

第二局 遥剋課 蒿矢・登庸格

1、来使について(ロシア側)

①ロシア側の交渉の使者をみると、丁神がいる為に凶とみます。庚日の丁は悪い兆しで、目上(交渉使者より上の人)に凶の動きがあることを示しています。そのため、相手は詐謀をもって交渉にくるとみてよく、ウクライナ側は相手を軽々しく信用してはいけないとなり、交渉は慎重にするべきと判断します。

②ロシア側に未が出ているので、これは「奸邪」といい、ロシア側にまったく誠意はないと判断します。また孟秋となっているので、ロシアにとっては交渉の始まりぐらいにしか見ていないと考えて良さそうです。

③伝送(申)を見てみると「天空」という神がいます。天空は虚詐の神ゆえに、ロシア側に詭謀(陥れようとする計略)があるとみて、間違いないと思います。

④坤為地が出ていますので、ウクライナはロシアに対して従順であれば良いと考えている。

2、去使について(ウクライナ側)

①去使とはウクライナの交渉使者になりますが、六壬式盤を見てみると、去使に河魁がいるので交渉において凶とみます。

②華蓋があるため、ウクライナ側の使者は混乱している、又は混乱するとします。

③河魁と太歳が相剋しているため、交渉は凶となります。

④去使の戌は相剋、更にロシア側は未となっているので、この組合せは刑となるため、去使は頼りにならない人物と判断します。この去使ではよい状況にはならないため、交渉する人を交代させる必要があります。

3、交渉の流れ

①まず遥剋課なので「忍耐」がキーワードとなります。今回の交渉は膠着状態となる事が想定され、また第二課が発用のため、ウクライナ側は交渉を慎重に図ることが良いとします。

②蒿矢格なので、ウクライナの使者は訪問してロシア側と面会はできますが、しかし交渉の成就は期待できないとします。

ウクライナ側の要求はストップになると出ています。交渉でロシアに譲歩を引き出そうとしても逆効果となり、ロシア側の恨みを買うだけとなりそうです。

④ロシア側は交渉の始まり程度にしか考えていない為、すぐに結論は出なさそうです。もしウクライナ側の使者が気をつける事があるとすれば、いまは何処に落としどころがあるかわからない為、今回は柔軟な対応が求められます。今回の1度目、次の2度目の交渉も決裂しますので、まじめにストレートに交渉しても埒があきません。忍耐をポイントとして、遥剋課は時間をおうごとに凶の兆しが薄れていきますので、交渉の回数を重ねていく事が重要として、行動する指針が良いと思われます。

お互いに色々な思惑があるのだと思いますが、ウクライナもロシアも互いに譲歩をして、一日も早く戦闘が収束し、これ以上の被害が出ないようになってもらいたいと思います。