六曜の続き

先日、雷で止めた六曜の続きになります。

和漢三才図會などをみると、現在六曜と呼ばれている六壬時課は日と時間で導き出す占術であるので、昔は1日の吉凶を占うものではなかったと解釈できます。ではどの様に使っていたのかと言いますと、今日の日付(旧暦)と現在の時間で割り出しますが、まず時間を刻へ変える基準ですが、昔は2時間おきに変わっていきますので、下記のようになります

子の刻:前日23:00〜 1:00
丑の刻:   1:00〜 3:00
寅の刻:   3:00〜 5:00
卯の刻:   5:00〜 7:00
辰の刻:   7:00〜 9:00
巳の刻:   9:00〜11:00
午の刻:  11:00〜13:00
未の刻:  13:00〜15:00
申の刻:  15:00〜17:00
酉の刻:  17:00〜19:00
戌の刻:  19:00〜21:00
亥の刻:  21:00〜23:00

この辺は文字にしていると少々難しく見えるので、そろそろ使い方の順番を書いていきます。因みに名称は昔の呼び方を使用しますので、わからない場合は先日の名称を見てください。

例:2015年6月24日15:09分の運勢を出す
1、現在の日を旧暦に直す。6月24日→5月9日
2、現在の時間を刻に直す。15:09分→申の刻
3、大安から5月9日申の刻になるまで順に数え始める
  大安:1月
  留連:2月
  速喜:3月
  赤口:4月
  将吉:5月:1日
  空亡:   2日
  大安:   3日
  留連:   4日
  速喜:   5日
  赤口:   6日
  将吉:   7日
  空亡:   8日
  大安:   9日:子の刻
  留連:      丑の刻
  速喜:      寅の刻
  赤口:      卯の刻
  将吉:      辰の刻
  空亡:      巳の刻
  大安:      午の刻
  留連:      未の刻
  速喜:      申の刻
4、2015年6月24日15:09分は速喜となる

このような感じで大安から空亡までの6個を順々に繰り返して、該当の日時になるまで割り出していきます。
では実際に大安や速喜など個々の運勢を解説します。

 大安(木行)
  状況:大吉祥、益々盛んになる。
     何かが一段落して次の獲物を求めているとき   
  求財:南西にあり         
  失物:遠くではない所       
  住居:安泰
  待人:動き出していない
  病人:問題なし
  出産:男児

 留連(水行)
  状況:計画は挫折しがちである。
     争論、口舌は厳禁
  希望:まだ到達出来ず       
  仕事:穏やかに進めると良い
  待人:まだ帰ってこない      
  失物:巽(辰巳)の上に留まる(中国六壬掌訣は南方位)
  病状:軽い、問題なし       
  出産:男児、喜びは35日     
 
 速喜(火行)
  状況:喜び事がやってくる     
  求財:南にあり
  失物:11時〜17時に路上で会った人に尋ねよ
  仕事:恵み、福徳あり       
  待人:連絡がある
  家庭:平和
  病人:回復に向かう        
  出産:女児、驚きあり

 赤口(金行)
  状況:口舌、争いごとが多い、丸くなれ。
     呪詛あり。
     伝染病に注意。
  仕事:口舌、トラブル多い
  失物:急いで探さないと出ない   
  住居:ペット(家畜)にトラブルあり
  待人:災難にあっている      
  病人:坤(未申)に病人が出る(中国六壬掌訣は西方位)
  出産:男児

 将吉(水行)
  状況:大いに吉の状態。
     女性からの喜び事あり。
     凡事皆和合(円満)
  仕事:路上に利益あり(中国六壬掌訣は利益が上がる)       
  交渉:強気でよい
  失物:坤(未申:西南方位)にあり      
  住居:安泰
  待人:手紙やメールなど連絡あり      
  病人:青ざめている
  求財:必要額を必ず得られる    
  出産:連絡あり

 空亡(土行)
  状況:煩わしい事が多い。
     女性が権威を押し出してくる。
     法的なトラブルあり。
     おとなしく時期の過ぎるのを待つがよい。
  求財:財を求めても利益上がらず        
  住居:安泰
  失物:土の裏にあり、出ない事あり 
  仕事:死亡する事あり
  待人:待人に災いあり          
  病人:悪化する、暗鬼にあう

六壬時課はこのように時間(刻)まで到達して、状況の把握をおこないますので暦にのっているように1日では見ないのですが、時代と共に変化してしまったのでしょう。変化した理由などは、様々な方の色々な理由があると思われますが、正しい使い方があるということが伝えたかっただけですので、何があったのかなどは、私の意見はここでは割愛します。因みに赤口(しゃっこう)に口舌(言い争い等)に注意と書かれておりますが、金鳥玉兎経(簠簋内伝)では赤口をこのように書いております。

赤口
王都にある東門の番神赤口神という。赤口神は八大鬼を使役して東門を守護している。八大鬼とは、1に兜雞羅神(とけいらしん)2に摩醯首羅神(まけいしゅらしん)3に閻獄受神(えんごくじゅしん)4に八獄卒神(はちごくそっしん)5に羯摩大神(かつまたいじん)6に閻羅刹神(えんらせつしん)7に雷電光神(らいでんこうしん)8に広目頭神(こうもくとうしん)である。正月の1日から順番に八大鬼が交代して、その日を支配する神となり百億の鬼神を囲繞(いにょう)せしめる。これら八大鬼のうちで4番目の八獄卒神(はちごくそっしん)は、八つの顔と八つの手を持ち、神通力をふるって人間世界の全てのものを惑乱(判断力を失うほど惑わす)させる。この八獄卒神(はちごくそっしん)は八大地獄の番神である。八大地獄とは、1に等活地獄、2に黒縄地獄、3に衆合地獄、4に叫喚地獄、5に大叫喚地獄、6に焦熱地獄、7に大焦熱地獄、8に無間地獄である。地獄の番神は拷問神で獄卒神(ごくそっしん)といい、地獄は八つあるので八獄卒神(はちごくそっしん)というのである。その八獄卒神(はちごくそっしん)が支配する日を赤口という。

昔の時代では、このような八獄卒神(はちごくそっしん)が支配する日や時間が赤口(しゃっこう)ですので、赤口の日時では人々は惑乱して言い争いになると考えられていました。故にそうならない様に、注意するようにと戒めているのであります。

最後に注意点ですが、私はこのように使用方法があるのを知っておりますので、今日は仏滅だから悪い日と考えはしないのですが、一般世間では通用している常識です。友引と書いてある日にお葬式をすると常識がないなどと思われる場合がありますので、世間的な事柄で動くときはお気をつけください。