節分

節分と追儺

今の時代は「節分」は、季節が冬から春に変わる季の変わり目(節目)に豆まきをするので、季節を分ける意味で節分と言いますが、昔の時代は今みたいに立春の前日ではなく、大晦日(12月末日)に追儺(ついな)という行事で鬼のお祓いをしていました。

追儺 追儺はこんな風に書かれています。「新年を迎える際して、疫鬼を駆除する行事。大晦日の夜に儺を祓う儀式。今日の節分の儀式。一名「鬼やらい」「儺やらい」ともいう。天皇が紫宸殿に出御して、*1方相氏(ほうそうし)が手に鉾と盾を持ち、侲子(しんし)を従えて参入し、陰陽師が斎郎(さいろお)を従えて参入し、祭文を読み上げ、方相氏が儺声を発して鉾で楯を打つ。上卿がこれに呼応して桃の弓と葦の矢によって疫鬼を駆逐し、桃杖で打ち据える。」*1  方相氏とは、黄帝の時代の大司寇(刑罰を司る長官)の事で、この神の降臨は吉祥を表すとされている

追儺の儀式の再現は、コロナで今はやっているか分からないのですが、コロナ前は京都の平安神宮で行われていました。どんな風に儀式が行われていたか興味のある方は、YouTubeにあると思うので調べてみてください。

恵方 また「恵方」についても、少し書いておきます。今は「恵方巻」という形で知っている方も多いと思いますが、元々は陰陽道の吉神の「歳徳神」のいる方位となります。昔の時代の陰陽師賀茂在方公が著した「暦林問答集」にはこんな風に書かれています。「戊・己は火が土を生じるので、戊は丙の方位に属し、己は丁の方位に属し、また中宮(土は中央に配当される)と呼ぶのである。戊・己は土であり、五行の根本である。「宮」とは宿舎である。その「五行」は、みな相剋を畏れる。そのため木は金に尅されることを畏れて乙を庚(金行)に嫁がせ、火は水に尅されることを畏れるので、丁を壬(水行)に嫁がせ、土は木に尅されることを畏れるので、己を甲の木に嫁がせ、金は火に尅されることを畏れるので、辛を丙(火行)に嫁がせ、水は土に尅されることを畏れるので、癸を戊(土行)に嫁がせる。これらの五行はみな相剋を畏れるので、それぞれの妹(陰干の乙丁己辛癸)を尅する五行と配合させることで、万物を生じるのである」と書かれています。偏った解釈になりますが、要は攻撃してくる五行の神に、自分の妹神を嫁がせて仲良くなると書いてあります(笑)今の時代なら敵なら倒すと考えるのでしょうが、この書き方だと味方となるなんですね。

今の時代の干支は

十干と呼ばれるものがあります。

 甲(きのえ) 乙(きのと)

 丙(ひのえ) 丁(ひのと)

 戊(つちのえ)己(つちのと)

 庚(かのえ) 辛(かのと)

 壬(みずのえ)癸(みずのと)

干支(えと)とも呼ばれていて、甲を下へ見ていくと全てに「え」が最後につきます。また乙(きのと)を下に見ていくと全てに「と」がついています。これにより「えと」と呼ばれています。現代で占術を扱う方はこの干支を、兄と弟と解釈してますが、昔の陰陽師は「男性(兄)と女性(妹)」という解釈をしていたと記述からはそう考えられます。単純に考えて陰と陽なので、陽は男性、陰は女性ですかね。これは占術の解釈なので、ちょっと難しいと思うので、神様のお話だと「歳徳神は一年を司る神の中で唯一、大吉の神となります。この神様の元にはありとあらゆる福の神(七億五万善神)が集まる為とされているから大吉となるわけです。」七億五万?の福の神?すごい数の神様が助けてくれるってことですね。

今年の恵方

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2023年の歳徳神のいる方位は、南方位の午と、南南東方位の巳との間となっています。この恵方に向かって「恵方巻」を食べて、歳徳神の吉運を身体に取り入れるって事ですね。昔はこの方位にある神社に行って、家の恵方の方位に歳徳棚をお祀りしていたみたいです。(資料で写真と説明は見たことあるのですが、実際にはないので不明な部分があります。そのため今の時点では詳しく書けなくてすみません)

商売繁盛を願うなら

最後になりますが、現代で商売繁盛の神様は?と訊かれると必ずと言っていいほど「お稲荷さん」と答える方が多いと思います。その稲荷の神をお祭りする日、いわゆる「初午・二の午」等、新年を迎えてからの初めての午の日です。それが今年2023年は2月5日(日)になります。この日は隠れ宿のカレンダーでも吉日、更に参拝や祠を祀るのに吉日です。もし時間の都合が合えば稲荷神社に参拝されてみると仕事運がアップすると思います。もし2月5日が間に合わない方は二の午の2月17日(金)に参拝してみてください。

冬の終わり

いま2月3日22時45分なので、立春の春(2月4日)に、あと少しです。私は明日(2月4日)は、陰陽道立春のお祀りに参列させていただけるので(関係者の方々ありがとうございます)これは春の始まりの儀式となります。私に関わるすべての方々にとっていい年になりますこと、陰陽の神々へお祈りしてきます。