大祓

 

大祓というのは一年の中で2回あります。一つは6月末日の「名越祓」、もう一つは12月末日の「年越しの大祓」のことです。今の時期(6月)は名越祓(夏の大祓)として、様々な神社さんで大祓の神事が行われております。先日私も香取神宮に立ち寄らせていいだいたので、その時に大祓をさせていただきました。

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私の体感としては、やはり祓うと祓わないとでは大きく違うなと思います。私達は日々の生活で災いの元となる穢れを少しずつ体に溜めているので、定期的に祓わないと体調を崩したり、災いを引き寄せたり、悪運や祟神に付きまとわれるので、なるべくならお祓いする事をお勧めします。今回お世話になった香取神宮の御祭神は、経津主命(ふつぬしのおおかみ)という神様になります。この神様は「古事記」や「日本書紀」の国譲り神話に登場する、霊剣の神様になります。その霊剣の神様に、半年間の私の穢れを祓い清めるため参拝させてもらいました

大祓とは?

ここで少し「大祓」は、どんなものなのか解説しておきましょう。

昔の呼び名は「大解除(おおはらえ)」といい、今の「大祓(おおはらえ)」となるのは、大宝元年(701年)からとなります。また、この年から正式に朝廷の国家行事となりました。大祓は朱雀門の前の広場に祭壇を設けて、親王、右大臣安倍御主人(あべのみうし。安倍晴明公の御先祖、下記家系図あり)以下、文武百官から女房(宮廷に仕える女性のこと)まで参列して盛大に行われていたようです。始めはその御代の天皇も参列されていたそうですが、途中で宮廷内で大祓を行うようになっていきました。それを「節折(よおり)」といいます。大祓は、身体の内外の穢れや罪、過ちなどの不浄を、神様に祓い清めてもらう神事として国家行事となっていましたが、大治5年(1130年)に朝廷で行う大祓は最後となります。その後は朝廷として大掛かりな大祓は行われず、朝廷と関わりのあった神社などで、それぞれで行われるようになっていきました。また朝廷で行われていた大祓は「七瀬の祓」となり、不定期で賀茂川の七か所(川合・一條・土御門・近衛・中御門・大炊御門・二条末)で行われておりました。

《安倍家家系図》簡易

豊韓別命

阿部鳥(安倍)

阿倍内麻呂[倉梯麻呂](?〜649)

安倍御主人(635-703)

安倍広庭(659-732)

阿部嶋麻呂(?〜761)

安倍粳蟲

安倍道守

安倍兄雄(?〜808)

安倍春材

安倍益材

安倍晴明(921-1005)

安倍吉平(954?-1027)

 

日本の文化

この様に大祓は、宮中では「節折」、朝廷からの依頼で不定期に行われる「七瀬の祓」、それぞれの神社で六月と十二月に行われる「大祓」と形は違いますが、少しでも穢れを祓い清めて生活していた習慣があります。こういうものが昔から続く日本の文化にもなっています、日本の神社の神事の内容を少し理解してもらえたら、また穢れを祓って無事に年末まで生活を送っていただけたらと思い、今回は書いてみました。

大祓にご興味のある方

昔の大祓は旧暦の6月末でしたが、今は新暦の6月30日に大祓(名越祓)が行われるところが多くなっております。もし時間が許せる様であれば、今度の6月30日、又はその前なども茅の輪があると思いますので、神社で穢れを祓ってみたらどうでしょうか。

追伸:私事になりますが、陰陽道の名越祓は毎年8月1日に行われるので、7月26日〜8月3日まで伊香保はお休みさせていただいております。